解読3:哲学的な問題の解決マニュアル
第三章は、「哲学的な問題の解決マニュアル」である。
この著作のチャプターは、「心の問題」「身近な問題」の次に「哲学的な問題」と続き、その後に、「科学的な問題」「宗教的な問題」「経済的な問題」となる。
このチャプターの順序については、マルクスが『資本論』で「商品」の章から始めたと同じく、目の前にある具体的な問題である「心」「身近」から始めたと解釈します。
しかし、マルクスは、哲学、認識論、方法論については、その著作のテーマである『経済学批判』の記述過程においてのみ示し、その論理の有効性を証明し、経済学批判の書であるとともに唯物弁証法の書であることに成功したが、著者は次に「哲学的な問題の解決マニュアル」という章を設けている。
これはどういうことなのか?
この理由は、チャプター【α. はじめに】の第一行に書かれたように、「この本...は....すべての答えが書かれた本」と規定したからことによって独立した章を設けたと解釈する。
⑴ 哲学問題とは何かとは、その第一は、自分とは何か?である。
⑵ 「自分」「自我」は、人間の脳が言語というシステムによって作り上げた仮想概念である。
⑶ 従って「自分」なんて、そもそもない。
※存在論の論点である「存在」とは何か?に対する答えである。それでは「存在」とは何か?
⑷ 「数学とは何か?」という項目があるが、なぜ哲学の章に数学があるのだろうか?
※それは現代哲学の主流が論理実証主義なので論理としての数学に触れたと解釈する。そして、数学は言葉の植えに構築された論理であることが明かされる。
⑸ 「社会システムの本質」の項が置かれて、「政治」「選挙」「民主主義」について語られる。
※何故哲学の章に政治の項があるのか?普通は、別の章として記載するのではないか。この疑問は次の言葉で明かされる。即ち、「誰も何が正しいか分からない」ということがある。従って、「正しさとは何なのか?」に答えることが哲学のミッションである。
⑹ ここで著者より「QAS」システムが提案される。
※「QAS」システムが著者の「哲学的な問題の解決マニュアル」に対する答えである。
⑺ この哲学の章の最後に「人はなぜ生きるのか?」という項が置かれるが何故か?
※「人はなぜ生きるか」は哲学的な問題であるのか?哲学への要請であるのか?「人生論」と言うテーマはかつての哲学宗教的なテーマであったが、現在的には宗教への要請ではないのか?哲学という営みとは、方法論的な問いかけではないだろうか。
⑻ 人間は、言葉=理性を持ったことによって動物には無い不幸の始まりとなった。